日本人にやさしい街ローテンブルク その2 ちいさな実力派博物館とまわる民謡

ローテンブルク オプ デア タウバー 市庁舎
ローテンブルクの市庁舎。塔にのぼれば市内を一望できる。
ごあんない;

歴史展示室Historiengewolbe

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5月〜11月 9:30 - 17:30 開館、冬季は短縮。ひとり 2 Euro


中世の街の中心といえば、まず広場Marktplatz、そして教会、最後に市庁舎Rathausの3点セットというのが定番。
ドイツの場合はさらに泉、現代では噴水が加わるようだ。
さて、ローテンブルクの市庁舎の中庭には、規模こそ小さいがなかなか個性的な博物館がある。歴史展示室Historiengewolbeだ。
小さいだけあって、ここだけはさすがに日本語のパンフレットや案内板はなかった。
市庁舎 地図 市庁舎 地図
とても見つけにくいのだけれど、どうやって行ったらいいのかひとめでわかる図が英語版パンフレットに載っていた。
右の建物が仕掛け時計で有名な市議宴会場Ratstrinkstube、左が市庁舎。
ローテンブルク オプ デア タウバー 歴史展示室
矢印に従い、歴史物展示室前の通りに入る。まさに中世そのままだ。
歴史展示室 館内
地上階は、三十年戦争(1618-1648)当時の歴史展示となっている。
いちばん左のアーチ扉が入り口。黒服の男性が立っているところがチケット売り場だ。
パンフレットによると、小部屋が15あってそれぞれに当時の武器や日用品が展示されている、というつくりだそうだ。
まず1番、と書かれた小部屋から見てみる。
歴史展示室 マイスタートゥルンク
かの有名な故事「マイスタートゥルンクDer Meistertrunk」を再現した部屋だった。おそらく、目玉展示のひとつめだ、といえる。
ここの人形の衣装はオリジナルに準拠してつくられている。窓の下にある樫材のチェストは17世紀のもの。
Der Meistertrunkのいわれをごく簡単に紹介すると;
1631年、当時の市長ヌッシュはなんと3.25リットルのワインを一気飲みすることで敵に包囲された街を救ったそうだ。
ローテンブルクでは毎年6月、この出来事を記念して祭りが行われる。
歴史展示室 錬金術師
こちらは錬金術師 Dr. Andreas Libavius(1550頃-1616)の実験室の再現。
ローテンブルクに活動の拠点を置き、500人もの弟子を抱えていたらしい。
歴史展示室 展示 歴史展示室 展示 歴史展示室 展示
当時の市民たちの様子を人形で再現した部屋。
衣装はもちろん、調度品や壁の絵までもが精巧な復元、または本物だ。
たとえば3枚目の写真、患者を治療中の町医者の横にかかっている楕円形の肖像画は、医師で薬剤師J.D.Groschopf(1676-1742)のもの。
歴史展示室 展示
地上階のいちばん奥に到達すると、こんな表示がある;
「ぜひ、地下牢もご覧ください。
入り口、チケット売り場の横を降りていったところにあります」

……そう、地下牢こそがふたつめの目玉なのだ。
地下牢展示は以下の三つからなる;
 番人部屋
 拷問室
 牢屋(三部屋)
ちなみに番人部屋と拷問室は、第二次大戦中にシェルターとしても使われたそうだ。
歴史展示室 地下牢
番人部屋。テーブルとベンチ、二本の矛槍、たいまつ、食料保存のためのバスケットなどが調度品。
歴史展示室 地下牢
さらに、暗い通路を抜けて……
歴史展示室 地下牢
……辿りついたのが、拷問部屋。左側の壁に、牢屋が三つ並んでいる。
歴史展示室 地下牢 歴史展示室 地下牢
罪人を吊り上げる装置、四肢を縛りつけるための木の枠、身体をつねる器具など。こうして自白を促したらしい。
歴史展示室 地下牢 歴史展示室 地下牢
牢の扉はこんな感じ。この牢にはHeinrich Toppler市長も投獄されていた。彼は1408年6月16日に3番目の牢屋で死んだそうだ。
歴史展示室 地下牢
牢の内部から撮影。広くみえるのは極端に扉が小さいせいで、実際は3人も入ればいっぱい、といった感じ。
歴史展示室 地下牢
案内板より。つづりが間違っている、のはご愛嬌。
とにかく、充実した展示だった。中世についていっぱしの通になれた気がする。
さて、この博物館のみっつめの目玉は、館内に終始流れている音楽だ。
不思議なくらいに耳に残る旋律なので、チケット売り場の係りのひとに「このBGMのCDって、売ってます?」と訊いてみたところ、
「もちろん!」と嬉しげにディスクを出してきた。「10ユーロですよ」
即、購入。


タイトルはそのまんま「Der Meistertrunk」。
祭りで演奏される民謡をたくさん収録した、なんとも手作り感あふれる一枚だ。
某超グローバル音楽書籍オンラインショップでは絶対に手に入らない珍品であることは間違いない。
Der Meistertrunk
うち一曲のフレーズを一部、楽譜に起こしてみた。
もし、ソプラノリコーダーをお持ちであればちょっと吹いてみてほしい。
繰り返すほどに、この民謡が数百年の時を超えて生き残ってきた理由がわかるはずだ。
頭の中で、まわる、まわる……。
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